蒸気の時代 拡張マップ・ドイツ&フランス
Age of Steam Expansion Germany & France
John Bohrer作
ドイツ&フランス (2009) BGG/PG
ドイツ 4~5人 (2003) BGG/PG
フランス 3~4人 (2004) BGG/PG
マップものに弱い。
ボードゲームの拡張セットは微妙なもの ― ルールが増えて少し複雑になったけど面白さはあまり変わらない、だったら入れない方がシンプルでいいかな…? ― という感じのが多いが、“拡張マップ”は地形によってけっこう攻め方が変わるし、なによりマップを眺めているだけでも楽しいのでついつい手を出してしまう。
「蒸気の時代」は拡張マップが何十種も出ている。それだけマップを変える楽しみがあるゲームということだろう。商品の配置が変われば展開も変わるので同じマップでも飽きずに楽しめるのが蒸気の時代だが、基本マップ(アメリカ五大湖周辺)は山がほとんどないので「山がちの地形だとどうなるんだろう?」等、気になってくる。
というわけで、拡張のドイツ・フランスマップ。
フランスマップ。基本マップより少し小さめ。3~4人向きらしい。
パリの圧倒的存在感。
パリは黒以外の4色の物資の消費地。スタート時に配置される物資の数が8個(!)でさらに補充フェーズではサイコロの黒1~6の物資が全部パリに補充される。まさにフランス経済の中心地。
パリを巡る攻防がある。
初期配置の8つを置いてみたところ。笑える。
ボード右下、緑または黒の◆が描かれたマスは「困難な地形」で、エンジニアアクションを選ばないと線路を敷設できない。コストは緑のマスが$2(平地と同じ。+0)で黒が$4(山と同じ。+$2)。(エンジニアアクションの効果はこれに置き換わり、4枚線路を敷くことはできない)
その他の変更ルールは、
・第一ラウンドでは2人が都市化アクションを選べる
・都市化アクションを選んだ人は線路を2枚までしか敷けない
・生産アクションでは、「都市をひとつ選び、そこに袋から引いた商品を1つ置く」ことを選んでもいい
・収入が0を下回っても脱落しない
3人でのプレイ風景。
「脱落なし」「1ラウンド目は2人が都市化を選べる」「パリの存在」といった効果が相まり
ビギナーにもやさしい印象の入門用としても使えそうなマップ。
続いてドイツマップ。
フランスよりでかい。最適人数は4~5人とのこと。
偶然、赤と黄のキューブが置かれてドイツらしくなった首都ベルリン。
こちらはパリほど特別な存在ではなく、毎ターン1つ袋から補充される。
黒い物資のお届け先。
ドイツマップの特色その1:周辺国への輸出。
緑のマスは輸出専門で、ゲーム開始時にランダムにキューブを置き、その色の物資のお届け先となる。
数字が書かれたマスは線路を敷くのに必要なコスト。
周辺国への出口付近は高く、序盤は手を出しづらい。
エッセン&ドルトムントとデュッセルドルフ&ケルンは隣接していて、その間は$2で列車コマを置ける。序盤の取り合いが激化しそうな場所。
その他の変更ルールは、
・未完成の線路は敷けない
・エンジニアアクションは4枚線路を敷くではなく、一箇所のコストが半額になる(端数切上げ)
4枚まで敷けるエンジニアアクションは線路敷設コストがネックでやや不人気だったが、ドイツマップ・フランスマップ共に変更され、取りたいアクションとなっている。
総評:
見てるだけでも楽しいです。
いわゆる「拡張セット」と違って必ずしも基本マップをやり込んだ人向けというわけではないので、選ぶ楽しみが増えたというか。いきなりこのマップから始めても問題ないでしょう。
(2015.10)