蒸気の時代/Age of Steam

Martin Wallace作 (2002)
1~6人/120分~
BGGPG


舞台は1830年代のアメリカ中西部の工業地帯。ピッツバーグ、デトロイト、シカゴ、ウィーリングといった都市を鉄道で結び、物資を運ぶ。

M.ワレスの代表作として有名な鉄道ゲーム。
名作と誉れ高いが、長時間かつ大変厳しいゲームとしても有名なので「買ってもやる機会無いかな…」と思って手を出さないでいた。が、あまり売れてないのか思った以上に日本語版が安く売っていて、またどう考えても自分の好きなタイプと思ったのでしばらく前に買っておいた(ボードゲームは買える時に買っておかないと欲しくなった時には入手難になってしまう)。

案の定しばらく眠っていたが、機会を得てやってみたところウワサ通りの猛烈な面白さでシビレた!


中身がギッシリ。列車コマは150個も入ってたし、1人用と2人用の拡張マップ(ペラ紙だけど)までオマケで付いている。


マップ。舞台はアメリカ五大湖周辺の工業地帯。
初めて見た時はのっぺらんとして味気ないように思えたが、
一度プレイすると俄然魅力的に見えてくるから不思議なものだ。

青い物資(=木製キューブ)を青い都市へ、
赤い物資を赤い都市へ、
黄色の物資を黄色の都市へ。
都市と都市とを線路で結び、物資をデリバリーするとお金がもらえる。


線路を敷設するには1マスにつき基本$2かかる。
上の写真でいえば、2マス線路を敷いているので計$4。
これで物資を運べるようになる。



青い物資を青の都市に運ぶ。これで収入$1アップ。
次のラウンド以降、毎ラウンド$1ずつお金が入るようになる。
配達完了した物資はボード上から取り除く。


収入表。物資を運ぶたびに上がっていく。この表に従ってお金がもらえる。


白い丸は「町」。そのままだと単なる通過駅だが


「都市化」することで物資を運ぶ先にできる。


新都市タイルは8枚あり、好きなものを選べる。右のグレーの4枚は黒い物資のお届け先。


赤い物資を新都市に運ぶ。これで$2収入アップ。

遠い荷物を運ぶとより収入が上がる。5区間分運べばに一気に$5収入が上がる(都市や町を線路で繋いだ区間を1区画と呼ぶ)。が、始めは1区間分の距離しか運べない。「エンジンパワー」なるものがあり、それを上げないと荷物を遠くへ運ぶことができないのだ。


エンジンパワー表。上げていくことで遠くに荷物を運べるようになるが、毎ラウンド「維持コスト」を支払わないといけないので計画性が求められる。(エンジンパワーが1なら維持コストは$1、エンジンパワーが2なら維持コストは$2、とどんどん上がっていく)


またこのゲームの厳しい点として、最初に$10借金した状態でゲームが始まる。$5単位でいくらでも借金できるが、利子を$5につき$1毎ラウンド払わなくてはならない(+エンジンパワーの維持コスト)。これが払えないとゲームから脱落するのだ。ココが非常に厳しい!

その上、手番順を決めるのは競り。
手番が先だと何かと有利に進められるが、序盤はとにかくお金が厳しく競りに回せるお金の余裕がない!


最初は線路が何もない状態から始まる。
ランダムに置かれるキューブの初期配置によって毎回どこから線路を敷くか悩む(楽しい悩み)。


徐々に線路が入り乱れ、すごい盤面になってくる。


最終局面。終盤になると(経営がうまく行っていれば)金には余裕ができてくるが、
長距離路線とそれを活かせる物資をどう確保するかが問題となってくる。


元々入っている紙幣ではなくニュー・ゲームズ・オーダーの「ゲーム用紙幣」を使ってみた。
本物のお札みたいにざらざらした手触りですごくイイ感じ。
今後使い込んでいった時にどう変化していくかも興味深い。


元々入っているお札。ニュー・ゲームズ・オーダーのゲーム用紙幣と比べるとだいぶでかい。


大きさ比較


総評:
最高に面白いです。
キューブの配置や地形、他人の線路などを見ながらどこに線路を敷くか考えるのがワクワクします。
たしかにお金がカツカツでマネージメントが大変だけど、心地良いキツさ。
やはり名作と呼ばれているものは、その時は要らないと思ってもとりあえず持っておいて損しない、むしろ確保しておかなかったら後で悔やむことになるでしょう。 (2015.9)


   

 

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